2015年7月アーカイブ

馬券裁判(その1)

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副題は「馬で1億5000万円儲けた予想法の真実」。
著者は、卍(まんじ)氏。
内容については、予想通りのところもあり、予想を裏切られるところもあり、面白く読めた。

目次
第1章 競馬歴について
  • 競馬との出会い
  • さまざまな馬券本を読みあさる
  • 「コンピ指数」の分析に没頭する
  • 「スピード指数」を使って、あることに気づく
  • 「勝ち馬を予想しない」ことに目覚める
  • 各馬に点数を付ける
  • 競馬ソフト『馬王』との運命的な出会い
第2章 裁判について
  • 家に「マルサ」がやってきた
  • 10億円近い課税と刑事告発
  • 外れ馬券裁判の準備
  • 検察の取り調べ
  • 刑事裁判の初公判まで
  • 刑事裁判の2回目の公判
  • 地方裁判所の判決
  • 高裁そして最高裁へ
  • 行政裁判について
第3章 馬券の買い方について
  • 中央競馬の概要
  • 馬券の種類
  • 一般的な馬券の買い方
  • (1)競馬場での購入
  • (2)場外勝馬投票券発売所
  • (3)電話・インターネット投票
  • 私が利用していたサービス
  • (1)A-PAT(IPAT)
  • (2)『馬王』
  • (3)JRA-VANの『Data-Labo』
  • (4)『JRDB』
  • 『馬王』の機能について
  • (1)馬柱の表示
  • (2)自動メンテナンス
  • (3)当日情報の自動取得
  • (4)推奨買い目の表示
  • (5)自動購人
  • (6)買い目の記録
  • (7)過去データの分析
  • (8)カスタマイズ機能
  • 私の馬券の買い方
  • (1)過去データの分析
  • (2)ユーザ得点の計算式の作成
  • (3)ユーザ抽出条件の作成
  • (4)金額式の作成
  • (5)外部データの取り込み
  • (6)自動購入
  • (7)実際の買い目や収支
  • (8)2005~2000年の収支データ
  • (9)実際の収支の変動
第4章 回収率100%を超えるために'
  • 勝ち馬を予想しない
  • 的中率よりも回収率を重視する
  • 本命馬券か穴馬券か
  • 一般の競馬ファンの心理を逆手に取る
  • 分析することをおこたらない
  • 観察して、仮説を立て、実験をして、考察する
  • 競馬に詳しくなる
  • 絞り込み方式よりも加点方式で
  • ノイズを減らし、予想の精度を高める
  • ファクターの数はできる限り多く
第5章 億超えを目指すために
  • 回又率100%を超えることが大前提
  • 破産しない資金管理
  • 均等払い戻しで収支を安定させる
  • 的り匹数を増やす
  • 大穴狙いから中穴、本命狙いへとシフト
  • 回収率は高いほうが良いというわけではない
  • スランプに耐える
  • 自分でオッズを下げすぎない
  • 実際に購入した買い目を分析する
  • 競馬ソフトの有効性について

予想を裏切られたところは、(卍氏は緻密な統計モデルを作成しているのではないか?)と思っていたところ、そうではなかったことだ。
例えば、
  • ファクターごとに加点する方法でスコアを算出し、買い目の候補馬を選んでいたこと。
  • 2頭以上の馬の組み合わせを当てる馬券を買うときにも、その組み合わせの確率を計算するのではなく、その組み合わせの馬のスコアを加算して、買い目を選んでいたこと。
シンプルではあるが、堅牢なモデルと言えると思う。
膨大な過去データで検証を行い、堅牢なモデルを作り上げたのは、『馬王』というソフトの存在も大きい。トレードシステムの開発でいうところの、バックテストを行うことができたようである。

資金管理については、ケーリー基準に似た考え方をしていると思った。
最大ドローダウンは40パーセントくらいだろうか?
40パーセントのドローダウンには耐えることは精神的なストレスが大きい。
そのドローダウンに耐えたところに、卍氏の勇気を感じた。

一般の投資の本も多く読まれているようなので、それらからも有益なヒントを得たのだろう。

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