副題は「馬で1億5000万円儲けた予想法の真実」。
著者は、卍(まんじ)氏。
内容については、予想通りのところもあり、予想を裏切られるところもあり、面白く読めた。
目次第1章 競馬歴について
- 競馬との出会い
- さまざまな馬券本を読みあさる
- 「コンピ指数」の分析に没頭する
- 「スピード指数」を使って、あることに気づく
- 「勝ち馬を予想しない」ことに目覚める
- 各馬に点数を付ける
- 競馬ソフト『馬王』との運命的な出会い
第2章 裁判について
- 家に「マルサ」がやってきた
- 10億円近い課税と刑事告発
- 外れ馬券裁判の準備
- 検察の取り調べ
- 刑事裁判の初公判まで
- 刑事裁判の2回目の公判
- 地方裁判所の判決
- 高裁そして最高裁へ
- 行政裁判について
第3章 馬券の買い方について
- 中央競馬の概要
- 馬券の種類
- 一般的な馬券の買い方
- (1)競馬場での購入
- (2)場外勝馬投票券発売所
- (3)電話・インターネット投票
- 私が利用していたサービス
- (1)A-PAT(IPAT)
- (2)『馬王』
- (3)JRA-VANの『Data-Labo』
- (4)『JRDB』
- 『馬王』の機能について
- (1)馬柱の表示
- (2)自動メンテナンス
- (3)当日情報の自動取得
- (4)推奨買い目の表示
- (5)自動購人
- (6)買い目の記録
- (7)過去データの分析
- (8)カスタマイズ機能
- 私の馬券の買い方
- (1)過去データの分析
- (2)ユーザ得点の計算式の作成
- (3)ユーザ抽出条件の作成
- (4)金額式の作成
- (5)外部データの取り込み
- (6)自動購入
- (7)実際の買い目や収支
- (8)2005~2000年の収支データ
- (9)実際の収支の変動
第4章 回収率100%を超えるために'
- 勝ち馬を予想しない
- 的中率よりも回収率を重視する
- 本命馬券か穴馬券か
- 一般の競馬ファンの心理を逆手に取る
- 分析することをおこたらない
- 観察して、仮説を立て、実験をして、考察する
- 競馬に詳しくなる
- 絞り込み方式よりも加点方式で
- ノイズを減らし、予想の精度を高める
- ファクターの数はできる限り多く
第5章 億超えを目指すために
- 回又率100%を超えることが大前提
- 破産しない資金管理
- 均等払い戻しで収支を安定させる
- 的り匹数を増やす
- 大穴狙いから中穴、本命狙いへとシフト
- 回収率は高いほうが良いというわけではない
- スランプに耐える
- 自分でオッズを下げすぎない
- 実際に購入した買い目を分析する
- 競馬ソフトの有効性について
予想を裏切られたところは、(卍氏は緻密な統計モデルを作成しているのではないか?)と思っていたところ、そうではなかったことだ。
例えば、
- ファクターごとに加点する方法でスコアを算出し、買い目の候補馬を選んでいたこと。
- 2頭以上の馬の組み合わせを当てる馬券を買うときにも、その組み合わせの確率を計算するのではなく、その組み合わせの馬のスコアを加算して、買い目を選んでいたこと。
シンプルではあるが、堅牢なモデルと言えると思う。
膨大な過去データで検証を行い、堅牢なモデルを作り上げたのは、『馬王』というソフトの存在も大きい。トレードシステムの開発でいうところの、バックテストを行うことができたようである。
資金管理については、ケーリー基準に似た考え方をしていると思った。
最大ドローダウンは40パーセントくらいだろうか?
40パーセントのドローダウンには耐えることは精神的なストレスが大きい。
そのドローダウンに耐えたところに、卍氏の勇気を感じた。
一般の投資の本も多く読まれているようなので、それらからも有益なヒントを得たのだろう。